1.台州市W鎮N村における健康調査の概要(方法と計画)
台州のE-waste分解業はメディアによる報道及び地方政府による取り締まりの結果、民間の分解工房がさらにデリケートな反応を見せ、分解作業が隠れて行われるようになったため、調査は一層難航した。
今回の健康検査プロジェクトを円滑に実施するため、私たちに対してある程度の信頼感を持っているE-waste分解村を選択した。これらの村では主に基板の分解作業が行われ、大気、水、土壌など周辺の環境が汚染され、さらに住民の健康にもある程度影響を与えていると思われる。
概要
実施場所
台州市W鎮N村(基板分解集中地)、台州市X郷(各種E-waste分解集中地)
実施期間
2008年4月19日、20日、27日
目標
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電子廃棄物分解地の住民・民工約500人を対象に無料健康検査を実施する。
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一次健康検査及びアンケートに基づいて、電子廃棄物関連処理業に従事する人びとの健康について、統計・研究を行う。
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電子廃棄物分解作業と関連がある人に対して、二次検査を実施する。(150人民元相当)
健康検査実施の流れ
@ 大学生・高校生によるボランティアが、N村において自宅訪問・相談を行う
A N村とX郷の人びとが集まりやすい場所にブースを設置し、無料医療サービスを行う。(2カ所)
B 集まってきた全ての人(村民及び民工)に対して、一次検査(通常の健康診断)を行い、さらに今回のプロジェクト対象範囲を絞る。
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電子廃棄物と関連する作業を行っていること。
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潜在的な病気を持っていること。
この2つのケースに該当する人は、二次検査を受けることになる。
C 二次検査を受ける人には、無料検査証(150人民元に当たる)を配る。
D 4月27日、X郷衛生院で二次検査を行う。T病院の医師と専門家たちが現地入りし、健康検査及び相談を行う。
E 関連資料を収集・整理する。
F 各協力機関に報告資料を提出する。
協力機関
X郷衛生院、Q衛生院
健康検査内容
@ 一次検査:通常の健康診断項目及びコンサルティング
A 二次検査:心電図、三大検査(注)、血液検査、肝機能、超音波検査及び内外科検査。一人当たり150元程度の費用が予想され、衛生院にて実施する。
注)中国における三大検査とは、血液検査、尿検査、糞検査が含まれている。具体的に、血液検査には、赤血球数(RBC)、ヘモグロビン量(Hb)、白血球数(WBC)、及び分類(DC)などがあり、尿検査には尿の色、Ph値、尿の比重、尿の鏡検(尿沈査)などがある。また、糞検査には、糞の色、鏡検(各種寄生虫の検査)などが含まれている。 |