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「エコプロダクツ2008」海外インフォメーション(中国語・韓国語サポート)詳細報告
〜ふりかえり編

 

7.ふりかえり

ツアーガイド担当者によるレポート(韓国語ツアー)

【ツアーコンセプト】

  • ツアー参加者のほとんどが企業関係者だったので、関連業界または企業のエコプロダクツ動向と製品の情報がわかるブースを紹介。

  • エコプロダクツ展の中で、消費者の反響が大きかった製品を紹介。(環境と競争は両立できることをアピール。)

  • 日本の優れた環境技術(ヒートポンプ、2次電池、LED照明、容器、3R、CO2削減活動など)、日本企業の社会貢献活動・環境経営活動も紹介。

*個人ツアーは、参加者のニーズに従って、ブースを訪問し、その場で質疑など

【主な見学先】

10周年テーマ展示(ヒートポンプなど)/東芝(LED照明)/パナソニック(ドラム式洗濯機など)/インクマックス(プリオーガニックコットン)/トヨタ(小型車など)

ツアーガイド担当者によるレポート(中国語ツアー)

*準備中

サポートスタッフへのアンケート結果、運営スタッフからのコメント等

1.サポートスタッフとして参加した感想等

【プラス評価】
楽しい時間を過ごせた/展示会を見学できた上に、サポートもできたので、達成感がある/新しい仲間に出会えたり、交流したりできた/全体的には効率良く進められた/エコプロ展自体も楽しめたが、当日までのいろいろな作業や、よい出会いが大きな財産になった/突発的な対応などは予想の範囲内

【マイナス評価】
受け持った役割はあまり明確ではなかった印象/会場を下見できなかった中で案内業務を行うのは不安が伴う/誰がどこまで対応するのかが不明確だった

【運営スタッフからのコメント等】
 情報共有、シフトの調整で至らない面が出たのは、「朝ほど支度が不十分」「朝ほど熱心なお客さんが来るので、あらゆる問合せが頻発」というギャップによるのではないか。


2.事前の情報共有について

 十分だった、とする意見もあったが、当日の打合せ面を含め、不足感が上回った。以下は「こんな情報があればよかった」という例。

会場の雰囲気、実際の大きさ、前日などのツアー参加者の要望・感想など/手元資料(対応集)/今年のメイン技術や商品は何か/会場の雰囲気・各ブースの見せ方・実際の展示品等

【運営スタッフからのコメント等】
 英語チームからの経験談などをふまえつつ、いわゆる「心得」などもまとめて、事前案内を送ったが、当日になってみないとわからないことは多く、心得通りには行かなかった面はある。


3.中国語・韓国語サポートについての感想等

  1. ガイドツアー

    環境や科学に関する専門知識が不足していたため、十分なツアーサポートができなかった/出発する前にツアーの大まかな経路を確認し、ツアー中は現在位置と次の予定を参加者に伝える必要あり/1時間で場内を一周するのは難しい

    レベルの高いツアーはお客の満足度も高いことがわかった/参加者アンケートの満足度が非常に高かったので驚き/韓国語ツアー参加者は、特に電化製品・生活家電への関心がかなり高いことに気付いた(ビジネスライクな視点、日本の最先端の技術に触れてみたいという姿勢を感じた)

    【運営スタッフからのコメント等】
    ・いわゆる中国・韓国的な時間の流れ方というのがあることを実感した。その辺りを見越してツアーの組み方も柔軟に、さらにその際のシフトも緩めに、としていたが、この緩やかさがスタッフにとっては難点になった可能性はある。
    ・参加者側の時間感覚に引きずられずに対応していくのはそもそも難しいと心得る。
    ・「製品・サービスなどのもっと詳細な情報がほしい」というニーズにどう応えるか
    →参加者のニーズにあったテーマ別のツアーを組んではどうか。
    ・制度や政策、トレンドなど、日本の環境情報の基礎情報のようなものがあるといい。
    →ツアー前にミニセミナーを行ってはどうか。
    ・ツアー参加者内のコミュニケーションをどう促すかも課題。
    →セミナーがあればとっかかりにはなる。
    ・ツアーガイド役とわかる工夫が必要だった。
    →専用のパスを付けて巡回すればツアーの宣伝にもなる。あるいは「通訳」という表記にすれば、出展者からの通訳ニーズに応えることもできる。(個人ツアーの場合も「ガイドが引率」よりも「通訳が同行」とした方がわかりやすい。)
    ・個人ツアーのPRは十分でなかった。
    →個人ツアーの情報も事前にウェブサイトに公開してはどうか。
     

  2. サポートデスク

    お客さんが来ない時間をより有意義に過ごす方法があればいい/さまざまな質問に対する事前練習ができればしたい/デスク責任者が常に一人いる必要あり/特に多かった問い合わせはパンフレット(日本語しかない正規のもの)の有無
    日本人のお客さんにどう対応するかが悩ましい(総合案内との連携がほしい)/予想できない質問への対応は、毎年の経験を積み重ねていくしかなさそう/韓国から来た韓国企業の方と同じくらい、日本にある韓国企業の韓国人の訪問があった印象

    【運営スタッフからのコメント等】
    ・デスクへのLAN配線の不備をはじめ、インフラを整えるのに思わぬ手間をとられ、初動が遅れた。
    ・エコプロダクツの見どころや最新情報についてもある程度レクチャー(できれば主催者から)できればよかった
    ・細かな問い合わせにどう対応するか(○○ブースの場所、○○を扱っている企業名、など)
    →ブースが検索できるPCを設置してはどうか(インターネット用PCは今回配備)
    ・総合案内(日本人向け)との位置関係が課題
    →少なくとも外国人向けよりも入口側に設置してもらう
    ・韓国、中国からの来場者が予想以上に多く、一度に大人数が来た時に対応しきれない場面があった。
    →英、中、韓それぞれのデスクの間隔を空けてもよい。ただし、英中韓相互の情報交換は確保。
     

  3. その他運営全般について

    専門的な対応というよりは、臨機応変な対応が求められる/ネットワーキングイベント用に確保した控室の存在が大きかった/スタッフのシフトはより入念に(デスクにいるちょうどいい人数の調整、休憩時間の確保と使い方など)


4.中国・韓国の方が興味を持っていた点など

 スタッフが見た中で興味を持っていたと思われる点は以下(一例)の通り。

環境就職コーナー/排出制限に関する日本の法律・制度/カーボンフットプリント/カーボンオフセット/再生紙/バイオマス/大手企業の新製品/どの企業も懸命に環境に取り組んでいる姿勢そのもの/自国自社でも開発・実行できそうなヒントやアイデアになりそうなもの全般


5.次回以降に向けての提案等

 1.〜4.をふまえ、サポートスタッフから出された提案等は以下の通り。

  • 日本語の総合案内は海外インフォメーションデスクよりも入口に近いところへ(または隣接 or 向かい合わせ。お互い視界の入る位置関係が望ましい。)

  • 外国語の表示やサポートが全体的に少なく、日本語のわからない外国人来場者にとっては、言葉の壁があまりにも大きいと思われる。最低限英語だけでも、より文字情報を充実させてはどうか。(出展者名の一覧だけでも英語版があればかなり変わると思われる。)

  • 「川崎国際環境技術展」のように中国語・韓国語の案内(webサイト上)をより充実させてもらえるとありがたい。(ツアー参加者からの要望)

  • 一流企業が名を連ねる大規模な展示会なので、海外インフォメーション(外国語サポート)の運営もより確実(プロ仕様)にした方がいいのではないか。

  • 専門的な情報だけでなく、日本における日常生活に関する環境情報もあるといい(例:ゴミの分別方法はどうなっているか、廃家電の行方はどうなのか、など)。日本人として当たり前の情報が中韓にとって新鮮なことは多い。

  • 展示内容が事前にわかるようになっているといい。

  • 開催期間中の広報の充実(海外インフォメーションの存在をもっと知ってもらいたい)。


6.エコプロ展全体の感想等

エコプロ展は初めてだったが、かなり規模の大きなイベントであると感じた/エコが大衆文化として消費されているかのような感覚も/大々的に環境イベントをしなくてもよいくらい、エコロジーな考え方が浸透すればいい/企業、政府機関、学校、NGOなど各主体ともにそれぞれの特徴が出ていた/中小企業や学校のブースはとても面白かった/初めてだったので、わからないことだらけだったが、年を重ねれば慣れていくと思う/各ブースの対応の親切さ、展示のわかりやすさは非常によかった/生活者として何ができるか、といったテーマに沿ったレイアウトになっているといいのでは、と思った

運営スタッフによるふりかえり

  • 特に大きな運営上の失敗もなく、ある程度の動きやすい環境を整えることができた。ただし、中韓ともしっかりと応対ができるスタッフがデスクに常駐している状態を作れるようにするのが課題。(スタッフ募集も無理なく)

  • 次年度への改善事項としては主に、@開場前の情報共有、Aシフトや休憩の時間設定、B総合インフォメーション(日本語)と外国人向けインフォメーションのあり方(出展者一覧の英語版など英字資料の拡充含む)、が挙げられる。

  • サポートスタッフ向け事前案内を用意したが、その把握の度合いにより、当日の対応や達成度に差が出た印象がある。

  • 今回の中韓サポートはエコプロダクツ初のことで、ある意味、快挙。来年に向けての基礎はできた。


詳細報告目次

  1. エコプロダクツ展とは

  2. 韓国・中国向け対応のきっかけ

  3. 2008年の取り組み経緯

  4. 期間中の概況

  5. 数字で見る成果

  6. 期間中のその他のまとめ

  7. ふりかえり

  8. スタッフリスト

  9. 報道状況等

  10. その他参考情報